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教皇の意向:女性の役割 (4月)

年間第三十一主日(10/31)

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「あなたは、神の国から遠くない」

マルコ12:34
集会祈願

愛の源である神よ、一人子イエスは命に至る道を、ことばと行いによって示してくださいました。真実の生き方を求めて集まるわたしたちの心に、キリストの言葉が力強く響きますように。聖霊の交わりの中で、あなたとと世々に生き、支配しておられる御子、私たちの主イエス・キリストによって。アーメン。

🌸 第一朗読 (申命記6.2-6)

 2〔モーセは民に言った。〕あなたもあなたの子孫も生きている限り、あなたの神、主を畏れ、わたしが命じるすべての掟と戒めを守って長く生きるためである。 3イスラエルよ、あなたはよく聞いて、忠実に行いなさい。そうすれば、あなたは幸いを得、父祖の神、主が約束されたとおり、乳と蜜の流れる土地で大いに増える。4聞け、イスラエルよ。我らの神、主は唯一の主である。 5あなたは心を尽くし、魂を尽くし、力を尽くして、あなたの神、主を愛しなさい。6今日わたしが命じるこれらの言葉を心に留めなさい。

🌸 答唱詩編 詩編18 典64 ①③⑥

答 神はわたしを救われる。
  その慈しみをたたえよう。

神はわたしのとりで、わたしの岩、
わたしの救い、身を避ける岩、
わたしの神、わたしのたて、
わたしのやぐら、救いの力。  【答】

神の裁きはわたしの前に、
そのおきては身近にある。
神はわたしの正しさに従って報い、
清く生きるわたしに目を留め、
答えてくださる。   【答】

わたしをささえる岩、
わたしを救われる神に栄光と賛美。
神よ、諸国の民の中であなたをたたえ、
わたしはあなたの名を喜び歌う。 【答】

🌸 第二朗読 (ヘブライ7.23-28)

  23〔皆さん、〕レビの系統の祭司たちの場合には、死というものがあるので、務めをいつまでも続けることができず、多くの人たちが祭司に任命されました。 24しかし、イエスは永遠に生きているので、変わることのない祭司職を持っておられるのです。 25それでまた、この方は常に生きていて、人々のために執り成しておられるので、御自分を通して神に近づく人たちを、完全に救うことがおできになります。
 26このように聖であり、罪なく、汚れなく、罪人から離され、もろもろの天よりも高くされている大祭司こそ、わたしたちにとって必要な方なのです。 27この方は、ほかの大祭司たちのように、まず自分の罪のため、次に民の罪のために毎日いけにえを献げる必要はありません。というのは、このいけにえはただ一度、御自身を献げることによって、成し遂げられたからです。 28律法は弱さを持った人間を大祭司に任命しますが、律法の後になされた誓いの御言葉は、永遠に完全な者とされておられる御子を大祭司としたのです。

アレルヤ唱 典270 31B

アレルヤ、アレルヤ。わたしを愛する人はわたしの言葉を守る。わたしの父はその人を愛し、わたしたちはその人のもとに行く。アレルヤ、アレルヤ。

🌸 福音朗読 (マルコ12.28b-34)

マルコによる福音
 28〔そのとき、〕一人の律法学者が進み出、イエスが立派にお答えになったのを見て、尋ねた。「あらゆる掟のうちで、どれが第一でしょうか。」 29イエスはお答えになった。「第一の掟は、これである。『イスラエルよ、聞け、わたしたちの神である主は、唯一の主である。 30心を尽くし、精神を尽くし、思いを尽くし、力を尽くして、あなたの神である主を愛しなさい。』 31第二の掟は、これである。『隣人を自分のように愛しなさい。』この二つにまさる掟はほかにない。」 32律法学者はイエスに言った。「先生、おっしゃるとおりです。『神は唯一である。ほかに神はない』とおっしゃったのは、本当です。 33そして、『心を尽くし、知恵を尽くし、力を尽くして神を愛し、また隣人を自分のように愛する』ということは、どんな焼き尽くす献げ物やいけにえよりも優れています。」 34イエスは律法学者が適切な答えをしたのを見て、「あなたは、神の国から遠くない」と言われた。もはや、あえて質問する者はなかった。

奉納祈願

慈しみ深い神よ、主イエスの食卓を囲む喜びのうちに祈ります。神と人への愛に生き、ご自分のすべてをささげられたキリストに結ばれますように。私たちの主イエス・キリストによって。アーメン。

拝領祈願

恵み豊かな神よ、あなたは秘跡のおあんによって、わたしたちをキリストに結び合わせてくださいました。わたしたちが日々の生活の中で、キリストの愛を生きるものとなりますように。私たちの主イエス・キリストによって。アーメン。

祈る花:Inoruhana
祈る花:Inoruhana

🌸 分かち合い

 イエスは生涯の終わりが近づくとエルサレムに上り、神殿の境内で、時の宗教指導者たちから様々なテーマで質問を受けられた。イエスの教えの信憑性を確かめようとしたり、イエスに罠をかけようとしたりするものが少なくなかった。イエスはその一つ一つに丁寧に答えたり、逆に彼らに問いかけたりされた。

 今日の箇所は、その終わりの部分、有名な二つの掟、「神への愛」と「隣人への愛」についての箇所である。キリスト者にとって、これは、最も基本的な、当たり前のような掟。しかし、よく考えてみれば、決して当たり前ではなく、自明のことでもない。どうして、その姿を見ることも、声を聞くことも、触れることもできない神を愛することができるのか。多くの宗教にとって、神は遠く近づくことのゆるされない恐るべき存在として、祈りや犠牲をささげ、恐れ敬い、その加護を願う存在だった。しかし、イスラエルの民は、その初めから、それと異なる神について教えられた。旧約聖書は、イスラエルの歴史について多くの頁をさいているが、それは単なる歴史の書ではなく、むしろ、一貫して、神がどのような方であるか、神は人間に何を語られたかを記した文書である。イエスラエルは、長い年月をかけて、神がいかなる存在であるか、他の民族が祭る神とどう違うかを教えられた。その要となるのは、彼らが貴重な遺産として伝えた「十戒」であり、数世紀後、それに加えられた申命記の中の掟である。そこに現れる神は、決して、遠くにあって、近づくことも、声を聞くこともできない存在ではなく、むしろ、近くにおられ、人々に語りかける存在、人々が全身全霊をもって愛すべき存在である、ということである。十戒の中で、「あなたは、わたしのほかに神があってはならない」とやや硬い表現で示された神は、申命記の中で「心を尽くし、精神を尽くし、思いを尽くし、力を尽くして愛しなさい」、と、よほど近しい存在として語られるようになる。そして、イスラエルの人々は、申命記の教えを守り、この言葉を心に刻むだけでなく、「自分の手に結び、額に付け、戸口の柱にも門にも書き記し」てきた。さらに、この言葉を、世紀を超えて、日に数回繰り返して唱えることを続けてきた。

 彼らが、神は愛すべき方であると教えられたのは、十戒や申命記の教え、それを解説する祭司や預言者の言葉を通してだけではなく、神ご自身が先祖たちの人生の中で、また、イエスラエルの歴史の中で示された、その力、優れた知恵、さらには、特別な愛によってである。イスラエルは、どの民族、宗教よりも、生ける神について、その人間に対する愛について深く教えられた民である。

 しかし、それで十分ではなかった。人々の心は弱く、神から離れ、神ならぬものを神であるかのように大事にし、神の御心を踏みにじった。そこで神は、人々が神の心、神の愛を一層深く悟るために、その御独り子をこの世に送ることを決意された。人となられた神の子、イエス・キリストは、まさに、神の愛を人々に示す使命を帯びて、人々の世界に生きられた。それは、ただ、人々が一層の熱心をもって神を愛するためだけではなく、神から愛されている人間を、同じ愛で愛することを教えるためだった。「隣人を自分のように愛しなさい」という掟は、旧約聖書のレビ記に記されている。しかし、多くの掟の中に刻まれた隣人への愛を定めた掟は、人々の心に根を下ろすには至らなかった。

 人となられた神の子、イエスは、自ら人として、弱く、罪深く、自分中心な人間、特に、人々が忘れ、無視しがちな小さな、貧しい人を、神の愛を持って愛することによって、さらには、そうした人間のために自らの命までも捧げることによって、「隣人を自分のように愛する」とはどういうことなのか、悟らせようとなさったのである。

 神を愛する心は、神の愛を悟ったものにはじめて与えられる恵みである。隣人を自分のように愛する心も、神の愛を知ったものに注がれる賜物である。愛が掟と定められているのは、それこそが命に至る道であり、それ以外に、神の国に至る道がないことを教えるためと思われる。あたかも、人間の努力がすべてであるような人間社会の中で、神の愛に気づき、恵みとしての神の愛を生きることができるように、共に祈ろう。(S.T.)

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聖書の本文は日本聖書協会発行の「新共同訳聖書」を使用しております。
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