♰ キリストにおいてすべてを新しく見る ♰

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教皇の意向: 新たな殉教者 (3月)

聖金曜日・主の受難(3/29)

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キリストは多くの苦しみによって従順を学ばれました

ヘブライ5:8
集会祈願

🌸 第一朗読 (イザヤ52.13~53・12)

13〔主は言われる。〕
見よ、わたしの僕は栄える。
はるかに高く上げられ、あがめられる。
14かつて多くの人をおののかせたあなたの姿のように
彼の姿は損なわれ、人とは見えず
もはや人の子の面影はない。
15それほどに、彼は多くの民を驚かせる。
彼を見て、王たちも口を閉ざす。
だれも物語らなかったことを見
一度も聞かされなかったことを悟ったからだ。
1わたしたちの聞いたことを、誰が信じえようか。
主は御腕の力を誰に示されたことがあろうか。
2乾いた地に埋もれた根から生え出た若枝のように
この人は主の前に育った。
見るべき面影はなく
輝かしい風格も、好ましい容姿もない。
3彼は軽蔑され、人々に見捨てられ
多くの痛みを負い、病を知っている。
彼はわたしたちに顔を隠し
わたしたちは彼を軽蔑し、無視していた。
4彼が担ったのはわたしたちの病
彼が負ったのはわたしたちの痛みであったのに
わたしたちは思っていた
神の手にかかり、打たれたから
彼は苦しんでいるのだ、と。
5彼が刺し貫かれたのは
わたしたちの背きのためであり
彼が打ち砕かれたのは
わたしたちの咎のためであった。
彼の受けた懲らしめによって
わたしたちに平和が与えられ
彼の受けた傷によって、わたしたちはいやされた。
6わたしたちは羊の群れ
道を誤り、それぞれの方角に向かって行った。
そのわたしたちの罪をすべて
主は彼に負わせられた。
7苦役を課せられて、かがみ込み
彼は口を開かなかった。
屠り場に引かれる小羊のように
毛を刈る者の前に物を言わない羊のように
彼は口を開かなかった。
8捕らえられ、裁きを受けて、彼は命を取られた。
彼の時代の誰が思い巡らしたであろうか
わたしの民の背きのゆえに、彼が神の手にかかり
命ある者の地から断たれたことを。
9彼は不法を働かず
その口に偽りもなかったのに
その墓は神に逆らう者と共にされ
富める者と共に葬られた。
10病に苦しむこの人を打ち砕こうと主は望まれ
彼は自らを償いの献げ物とした。
彼は、子孫が末永く続くのを見る。
主の望まれることは
彼の手によって成し遂げられる。
11彼は自らの苦しみの実りを見
それを知って満足する。
わたしの僕は、多くの人が正しい者とされるために
彼らの罪を自ら負った。
12それゆえ、わたしは多くの人を彼の取り分とし
彼は戦利品としておびただしい人を受ける。
彼が自らをなげうち、死んで
罪人のひとりに数えられたからだ。
多くの人の過ちを担い
背いた者のために執り成しをしたのは
この人であった。

🌸 答唱詩編 詩編31 典145①②③④

🌸 第二朗読 (ヘブライ4.14-16、5.7-9)

 14さて、わたしたちには、もろもろの天を通過された偉大な大祭司、神の子イエスが与えられているのですから、わたしたちの公に言い表している信仰をしっかり保とうではありませんか。 15この大祭司は、わたしたちの弱さに同情できない方ではなく、罪を犯されなかったが、あらゆる点において、わたしたちと同様に試練に遭われたのです。 16だから、憐れみを受け、恵みにあずかって、時宜にかなった助けをいただくために、大胆に恵みの座に近づこうではありませんか。
 7キリストは、肉において生きておられたとき、激しい叫び声をあげ、涙を流しながら、御自分を死から救う力のある方に、祈りと願いとをささげ、その畏れ敬う態度のゆえに聞き入れられました。 8キリストは御子であるにもかかわらず、多くの苦しみによって従順を学ばれました。 9そして、完全な者となられたので、御自分に従順であるすべての人々に対して、永遠の救いの源となったのです。

詠唱 典317

🌸 福音朗読 (ヨハネ18.1-19.42)

ヨハネによる福音

 1こう話し終えると、イエスは弟子たちと一緒に、キドロンの谷の向こうへ出て行かれた。そこには園があり、イエスは弟子たちとその中に入られた。 2イエスを裏切ろうとしていたユダも、その場所を知っていた。イエスは、弟子たちと共に度々ここに集まっておられたからである。 3それでユダは、一隊の兵士と、祭司長たちやファリサイ派の人々の遣わした下役たちを引き連れて、そこにやって来た。松明やともし火や武器を手にしていた。 4イエスは御自分の身に起こることを何もかも知っておられ、進み出て、「だれを捜しているのか」と言われた。 5彼らが「ナザレのイエスだ」と答えると、イエスは「わたしである」と言われた。イエスを裏切ろうとしていたユダも彼らと一緒にいた。 6イエスが「わたしである」と言われたとき、彼らは後ずさりして、地に倒れた。 7そこで、イエスが「だれを捜しているのか」と重ねてお尋ねになると、彼らは「ナザレのイエスだ」と言った。 8すると、イエスは言われた。「『わたしである』と言ったではないか。わたしを捜しているのなら、この人々は去らせなさい。」 9それは、「あなたが与えてくださった人を、わたしは一人も失いませんでした」と言われたイエスの言葉が実現するためであった。 10シモン・ペトロは剣を持っていたので、それを抜いて大祭司の手下に打ってかかり、その右の耳を切り落とした。手下の名はマルコスであった。 11イエスはペトロに言われた。「剣をさやに納めなさい。父がお与えになった杯は、飲むべきではないか。」
 12そこで一隊の兵士と千人隊長、およびユダヤ人の下役たちは、イエスを捕らえて縛り、 13まず、アンナスのところへ連れて行った。彼が、その年の大祭司カイアファのしゅうとだったからである。 14一人の人間が民の代わりに死ぬ方が好都合だと、ユダヤ人たちに助言したのは、このカイアファであった。
 15シモン・ペトロともう一人の弟子は、イエスに従った。この弟子は大祭司の知り合いだったので、イエスと一緒に大祭司の屋敷の中庭に入ったが、 16ペトロは門の外に立っていた。大祭司の知り合いである、そのもう一人の弟子は、出て来て門番の女に話し、ペトロを中に入れた。 17門番の女中はペトロに言った。「あなたも、あの人の弟子の一人ではありませんか。」ペトロは、「違う」と言った。 18僕や下役たちは、寒かったので炭火をおこし、そこに立って火にあたっていた。ペトロも彼らと一緒に立って、火にあたっていた。
 19大祭司はイエスに弟子のことや教えについて尋ねた。20イエスは答えられた。「わたしは、世に向かって公然と話した。わたしはいつも、ユダヤ人が皆集まる会堂や神殿の境内で教えた。ひそかに話したことは何もない。 21なぜ、わたしを尋問するのか。わたしが何を話したかは、それを聞いた人々に尋ねるがよい。その人々がわたしの話したことを知っている。」 22イエスがこう言われると、そばにいた下役の一人が、「大祭司に向かって、そんな返事のしかたがあるか」と言って、イエスを平手で打った。 23イエスは答えられた。「何か悪いことをわたしが言ったのなら、その悪いところを証明しなさい。正しいことを言ったのなら、なぜわたしを打つのか。」 24アンナスは、イエスを縛ったまま、大祭司カイアファのもとに送った。
 25シモン・ペトロは立って火にあたっていた。人々が、「お前もあの男の弟子の一人ではないのか」と言うと、ペトロは打ち消して、「違う」と言った。 26大祭司の僕の一人で、ペトロに片方の耳を切り落とされた人の身内の者が言った。「園であの男と一緒にいるのを、わたしに見られたではないか。」 27ペトロは、再び打ち消した。するとすぐ、鶏が鳴いた。
 28人々は、イエスをカイアファのところから総督官邸に連れて行った。明け方であった。しかし、彼らは自分では官邸に入らなかった。汚れないで過越の食事をするためである。 29そこで、ピラトが彼らのところへ出て来て、「どういう罪でこの男を訴えるのか」と言った。 30彼らは答えて、「この男が悪いことをしていなかったら、あなたに引き渡しはしなかったでしょう」と言った。 31ピラトが、「あなたたちが引き取って、自分たちの律法に従って裁け」と言うと、ユダヤ人たちは、「わたしたちには、人を死刑にする権限がありません」と言った。 32それは、御自分がどのような死を遂げるかを示そうとして、イエスの言われた言葉が実現するためであった。 33そこで、ピラトはもう一度官邸に入り、イエスを呼び出して、「お前がユダヤ人の王なのか」と言った。 34イエスはお答えになった。「あなたは自分の考えで、そう言うのですか。それとも、ほかの者がわたしについて、あなたにそう言ったのですか。」 35ピラトは言い返した。「わたしはユダヤ人なのか。お前の同胞や祭司長たちが、お前をわたしに引き渡したのだ。いったい何をしたのか。」 36イエスはお答えになった。「わたしの国は、この世には属していない。もし、わたしの国がこの世に属していれば、わたしがユダヤ人に引き渡されないように、部下が戦ったことだろう。しかし、実際、わたしの国はこの世には属していない。」 37そこでピラトが、「それでは、やはり王なのか」と言うと、イエスはお答えになった。「わたしが王だとは、あなたが言っていることです。わたしは真理について証しをするために生まれ、そのためにこの世に来た。真理に属する人は皆、わたしの声を聞く。」 38ピラトは言った。「真理とは何か。」
 ピラトは、こう言ってからもう一度、ユダヤ人たちの前に出て来て言った。「わたしはあの男に何の罪も見いだせない。 39ところで、過越祭にはだれか一人をあなたたちに釈放するのが慣例になっている。あのユダヤ人の王を釈放してほしいか。」 40すると、彼らは、「その男ではない。バラバを」と大声で言い返した。バラバは強盗であった。
 1そこで、ピラトはイエスを捕らえ、鞭で打たせた。 2兵士たちは茨で冠を編んでイエスの頭に載せ、紫の服をまとわせ、 3そばにやって来ては、「ユダヤ人の王、万歳」と言って、平手で打った。 4ピラトはまた出て来て、言った。「見よ、あの男をあなたたちのところへ引き出そう。そうすれば、わたしが彼に何の罪も見いだせないわけが分かるだろう。」 5イエスは茨の冠をかぶり、紫の服を着けて出て来られた。ピラトは、「見よ、この男だ」と言った。 6祭司長たちや下役たちは、イエスを見ると、「十字架につけろ。十字架につけろ」と叫んだ。ピラトは言った。「あなたたちが引き取って、十字架につけるがよい。わたしはこの男に罪を見いだせない。」 7ユダヤ人たちは答えた。「わたしたちには律法があります。律法によれば、この男は死罪に当たります。神の子と自称したからです。」
 8ピラトは、この言葉を聞いてますます恐れ、 9再び総督官邸の中に入って、「お前はどこから来たのか」とイエスに言った。しかし、イエスは答えようとされなかった。 10そこで、ピラトは言った。「わたしに答えないのか。お前を釈放する権限も、十字架につける権限も、このわたしにあることを知らないのか。」 11イエスは答えられた。「神から与えられていなければ、わたしに対して何の権限もないはずだ。だから、わたしをあなたに引き渡した者の罪はもっと重い。」 12そこで、ピラトはイエスを釈放しようと努めた。しかし、ユダヤ人たちは叫んだ。「もし、この男を釈放するなら、あなたは皇帝の友ではない。王と自称する者は皆、皇帝に背いています。」
 13ピラトは、これらの言葉を聞くと、イエスを外に連れ出し、ヘブライ語でガバタ、すなわち「敷石」という場所で、裁判の席に着かせた。 14それは過越祭の準備の日の、正午ごろであった。ピラトがユダヤ人たちに、「見よ、あなたたちの王だ」と言うと、 15彼らは叫んだ。「殺せ。殺せ。十字架につけろ。」ピラトが、「あなたたちの王をわたしが十字架につけるのか」と言うと、祭司長たちは、「わたしたちには、皇帝のほかに王はありません」と答えた。 16そこで、ピラトは、十字架につけるために、イエスを彼らに引き渡した。
 こうして、彼らはイエスを引き取った。 17イエスは、自ら十字架を背負い、いわゆる「されこうべの場所」、すなわちヘブライ語でゴルゴタという所へ向かわれた。 18そこで、彼らはイエスを十字架につけた。また、イエスと一緒にほかの二人をも、イエスを真ん中にして両側に、十字架につけた。 19ピラトは罪状書きを書いて、十字架の上に掛けた。それには、「ナザレのイエス、ユダヤ人の王」と書いてあった。 20イエスが十字架につけられた場所は都に近かったので、多くのユダヤ人がその罪状書きを読んだ。それは、ヘブライ語、ラテン語、ギリシア語で書かれていた。 21ユダヤ人の祭司長たちがピラトに、「『ユダヤ人の王』と書かず、『この男は「ユダヤ人の王」と自称した』と書いてください」と言った。 22しかし、ピラトは、「わたしが書いたものは、書いたままにしておけ」と答えた。
 23兵士たちは、イエスを十字架につけてから、その服を取り、四つに分け、各自に一つずつ渡るようにした。下着も取ってみたが、それには縫い目がなく、上から下まで一枚織りであった。 24そこで、「これは裂かないで、だれのものになるか、くじ引きで決めよう」と話し合った。それは、
 「彼らはわたしの服を分け合い、
 わたしの衣服のことでくじを引いた」
 という聖書の言葉が実現するためであった。兵士たちはこのとおりにしたのである。 25イエスの十字架のそばには、その母と母の姉妹、クロパの妻マリアとマグダラのマリアとが立っていた。 26イエスは、母とそのそばにいる愛する弟子とを見て、母に、「婦人よ、御覧なさい。あなたの子です」と言われた。 27それから弟子に言われた。「見なさい。あなたの母です。」そのときから、この弟子はイエスの母を自分の家に引き取った。
 28この後、イエスは、すべてのことが今や成し遂げられたのを知り、「渇く」と言われた。こうして、聖書の言葉が実現した。 29そこには、酸いぶどう酒を満たした器が置いてあった。人々は、このぶどう酒をいっぱい含ませた海綿をヒソプに付け、イエスの口もとに差し出した。 30イエスは、このぶどう酒を受けると、「成し遂げられた」と言い、頭を垂れて息を引き取られた。
 31その日は準備の日で、翌日は特別の安息日であったので、ユダヤ人たちは、安息日に遺体を十字架の上に残しておかないために、足を折って取り降ろすように、ピラトに願い出た。 32そこで、兵士たちが来て、イエスと一緒に十字架につけられた最初の男と、もう一人の男との足を折った。 33イエスのところに来てみると、既に死んでおられたので、その足は折らなかった。 34しかし、兵士の一人が槍でイエスのわき腹を刺した。すると、すぐ血と水とが流れ出た。 35それを目撃した者が証ししており、その証しは真実である。その者は、あなたがたにも信じさせるために、自分が真実を語っていることを知っている。 36これらのことが起こったのは、「その骨は一つも砕かれない」という聖書の言葉が実現するためであった。 37また、聖書の別の所に、「彼らは、自分たちの突き刺した者を見る」とも書いてある。
 38その後、イエスの弟子でありながら、ユダヤ人たちを恐れて、そのことを隠していたアリマタヤ出身のヨセフが、イエスの遺体を取り降ろしたいと、ピラトに願い出た。ピラトが許したので、ヨセフは行って遺体を取り降ろした。 39そこへ、かつてある夜、イエスのもとに来たことのあるニコデモも、没薬と沈香を混ぜた物を百リトラばかり持って来た。 40彼らはイエスの遺体を受け取り、ユダヤ人の埋葬の習慣に従い、香料を添えて亜麻布で包んだ。 41イエスが十字架につけられた所には園があり、そこには、だれもまだ葬られたことのない新しい墓があった。 42その日はユダヤ人の準備の日であり、この墓が近かったので、そこにイエスを納めた。

奉納祈願

拝領祈願

祈る花:Inoruhana
祈る花:Inoruhana

🌸 分かち合い

 昨晩の聖木曜の典礼に続いて、今晩は、聖週間の中心ともいうべき聖金曜日の典礼を営んでいます。先日の受難の主日では、マルコの福音が読まれましたが、聖金曜日には毎年、「ヨハネ福音書による主の受難」が読まれます。

 キリスト教信仰、そして、福音書の要とも言うべきイエスの受難についての記述ですが、つい、細部にとらわれて全体を捉えることが難しいと感じることはないでしょうか。はたして、イエスと生活を共にした使徒たちは、イエスが捕えられ、裁きを受け、異邦人の手に渡され、十字架刑にあうという一連の出来事をどうとらえていたのでしょうか。弟子たちにとって、あれほど期待を寄せていた師があのような辱めと苦しみ、そして、あの悲惨な最期を迎えられたことは、自分たちにとって、驚き、落胆、悲しみ、疑問以外の何ものでもありませんでした。
 
 イエスの受難と十字架の死を直視し、それを意味づけることができたのは、イエスの復活、そして、それに伴う聖霊の派遣によるもので、弟子たち、そして教会は、その光の中で聖書(旧約)を読み直し、そこにイエスの死を指し示すヒントがあることを悟ったのです。あの悲惨な最期、予期しない結末の意味を悟るために、神は数世紀前に書かれた聖書の中に、貴重な鍵を置いておかれたのです。

 先ほど読まれたイザヤの預言(53章の有名な神の僕の歌)の中に、人々の目からすれば、あたかも神に見捨てられた人のような最期を迎える僕が、実は、人々の犯した罪のため、そして、人々が生きるために自らを捧げる神の僕としての死であることを語る言葉でした。イエスの弟子たち、そして、教会の礎となった人々は、こうした言葉に導かれて、イエスが自らを完全に神に捧げた僕としての奉献を、そして、この世に遣わされた独り子イエスがそのような苦しみに遭うことを、敢えて求められた神の人間に対する限りない愛を読み取ることができたのです。

 先ほど朗読されたヨハネ福音書は、イエスの受難を記すにあたって、それが、顔のない、無言の力によって推し進められたのではなく、むしろ、具体的な、血と肉をもった人間によって、営まれたことを強調するかのように、ユダ、ペトロ、ピラトの名前を上げています。

 イエスから大きな信頼を受け、使徒団の金入れを預かっていたユダは、自分が抱いていたメシアの姿と違うイエスの思いについて行けず、抱いていた理想と正反対の金の誘惑に身をまかせ、師を裏切ったことを、福音記者は包み隠さず記します。使徒たちの頭として、イエスから他の誰にもまさる愛を受けたペトロは、人間的な弱さのために3度も師を否みます。そして、当時、パレスチナで最高の権力を手にしていた総督ピラトは、イエスの無罪を信じながら、ユダヤ人の脅しに負け、罪なき神の子を十字架刑に処する決断を下します。

 こうしたイエスの死にかかわった人々のもっていた弱さは、わたしたちの弱さと無関係ではありません。ユダのように、神の思いとは似ても似つかぬイメージを作り上げて、その虜になってしまう人間。ペトロのように、弟子たちの間では大口をたたきながら、いざとなると巧みに身を隠してしまう弱さを抱えた人間。そして、ピラトのように、おかしいと思いながらも、様々な圧力に安易に妥協し、実行する勇気を持たない人間。ファリサイ派のような確信犯に加えて、そんな弱さに包まれた人々、今も、そして、どこにでも偏在する群衆の後押しを受け、主は十字架の道を歩まれるのです。

 へりくだって、わたしたち自身の弱さ・罪深さを認めながら、わたしたち自身も人生の中で出会う様々な十字架から身を隠すのではなく、それに直面し、受け入れ、勇気をもって神の救いの計画に協力することができるよう光と導きを祈り求めましょう。(S.T.)

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聖書の本文は日本聖書協会発行の「新共同訳聖書」を使用しております。
どうぞよろしくお願い致します。

1 comment

  1. 昨年の聖金曜日、突然、警察官3名が家に来て、私の運転免許証を奪って行った。
    デイサービスから帰ってきた母が「悪い警察官にみすみす免許証を渡しちゃだめじゃん」と言った。

    母が成年後見人弁護士を主犯とする地縁血縁ぐるみ犯罪により拉致され失踪してからやがて一年になる。

    今年の聖金曜日は、夕方、突然、地元暴力団により土地を奪われた一人暮らしのおばあちゃんの遠い親戚から電話が来て、母の居所は近所の人が知っているかも、と言いつつ、新聞のオクヤミ欄を見るようにと言った。

    地元市当局の顧問弁護士は暴力団弁護士で全国的に有名で警察も教員をやってる弟夫婦もみなお世話になってる。

    母と僕を引き離したい、と地域ぐるみ犯罪者は思っていると本人たちから直接聞いた。

    新しい人が目覚めることを恐れているのだろう。

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